活躍の場面が多岐にわたる臨床心理士の仕事

臨床心理士は医療領域で働いているイメージが強く、それは事実です。医療領域も様々です。精神科や心療内科だけでなく、小児科で発達検査をしたり産婦人科で不妊女性のカウンセリングもします。がんセンターには精神腫瘍科がありホスピスには死にゆく患者さんがいて心の整理をつけたいと思っています。心身の関係は強く、身体の痛みや障害がストレスによるものという事があります。リハビリテーション科、整形外科、眼科、耳鼻科でも働いています。

教育現場では全国の小中高にスクールカウンセラーが配置され、自治体の教育相談所でも児童生徒や保護者からの不登校、いじめの相談を受けています。自治体では健診時に乳幼児発達検査を行い、発達障害の検査をします。発達障害の子供のための療育機関でも働いています。

その仕事の内容は多岐にわたり、カウンセリングの他、知能検査、発達検査、性格検査、認知機能検査も実施します。カウンセリングや検査をして終わりというわけではなく、企業内カウンセラーは職場の各部署との調整もします。復職訓練の計画立案と実施業務をします。

司法関係では非行少年調査官、家族関係調整をする家事係調査官がいます。矯正機関の行動部門では矯正プログラムの策定と実施をします。警察では被害者支援のためのカウンセリングを実施していて、自衛隊では派遣から帰って来た隊員のメンタルチェックとケアをしています。

開業心理士も多く、公認心理師が国家資格となったので今後心理技術者への社会的期待と活躍領域はますます広がるでしょう。多忙で重責ですがまだ社会的認知度は低く、それほど高い待遇を受けているわけではありません。