社会を見た上での本当の就職がかなう第二新卒

新卒者は3年以内に会社を辞めてしまうケースが多く、大卒で3割、高卒で5割近くが該当すると言われています。特に近年は会社を変えることの抵抗が少なくなっており、新人が続きにくい環境になっています。第二新卒とは学校を卒業してから概ね5年程度までの若手社会人のことを指します。就職をし直すというイメージがありますが、応募者にとっても企業側にとってもいくつかのメリットがあります。

応募者が感じるメリットとしては、新卒時には劣るものの、大手の会社に行く可能性があることです。学生の間は企業や業界の研究は行っても、実務を行うことは殆ど不可能ですから、実務を経験して初めてミスマッチに気付くことが多いのです。そのまま会社に残る人が多いですが、実務経験を積んだ上でもう一度別の業界に挑戦できることは長い目で見て非常に有益なことです。企業側も実務を経験していることの重要性を理解しており、大手の会社でも枠を設けていることがあります。

企業側としても多くのメリットがあります。数年以内に退職しているとは言え、社会人としての考え方や基本的なビジネスマナーは身に付いています。極端に会社勤めが向いていない人は応募することはありませんので、企業側としても採用のリスクが低くなり、教育にかける時間も短縮することができます。即戦力が期待される中で、新卒を一から指導するよりも合理的であるという考え方があります。

そもそも学生の間に一生の仕事を決める判断をすることは難しく、これまでの新卒入社を前提とした正社員の制度には不合理な点があったことは事実です。一度失敗してもやり直しが利く社会に近づいていると言えるでしょう。社会に出て数年経過しても多くはまだ20代であり、長期的な戦力として期待できます。